苦手な彼は私の王子様
私は嬉しくて笑顔で自分の席に着く。

先生が気を使ってくれたのか、本来新学期すぐに席替えが行われるのに私たちのクラスはまだ席替えはしていなかった。

「今日のこれ恋君が企画してたんだよ?」

私の耳元で鈴が囁く。

「え?ほんとに」

「そうだよ!退院するって宿泊研修の日に言ったでしょ?その日の夕方みんな集めてサプライズしよって」

「なんか嬉しいなぁ。恋はクラスと馴染めてる?」

私はそれが1番心配だったから聞いてみた。

「最初は雰囲気悪いって感じだったけど、愛の病院に通うようになってから笑顔増えたかも。」

恋は素っ気なく見て優しい所がたくさんあるから、私は少しほっとした。

「やっと一緒に勉強できるな。愛」

耳元で囁いて来たのは恋だ。
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