一期一会。−2−


人がいないとはいえど、通学路で朝っぱらからやることではない。

朝以外も駄目だけど!

羞恥心が襲い、顔が一気にほてる。


なっ!!?


「ふっ、油断したね」

「これだから虐めたくなる」

「お前らふざけんな!」


キス魔の2人にブチ切れた葵が蹴りを
食らわせていた。


痛そう…。


私は言葉にならない悲鳴をあげていた。

やだやだ!何でキスしてくるの!?


何度目か分からないけど、そろそろ
訴えるぞ!


心臓が爆発してしまいそうだよ!

ドクドク、割れそうなくらいに音が鳴る。

入学式前になんてことだ。

これじゃ、集中できないよ!


「…大丈夫?」

『…っ、無理』


マジで、今すぐ帰ってくれ。

GoToホォオーム!


両手で頬を押さえて、悶える私に
葵は「もうすぐ着くよ」とだけいって
触れてこなかった。

葵は、他の二人ほど激しく触れて来ない
もんね!

だから、ある程度安心していられる。

ホッとして葵の隣を並んで歩く。



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