一期一会。−2−
そんな私を、時雨と由宇は切なげに
見ているとは知らずに。

ー…そして。

葵が実は口元を押さえたその下で、

「…本当はめちゃくちゃにしたいのに」

なんて、悔しげに呟いてることは
知らなかった。


3人と歩いてたら、すぐに黄鳥高校に
着いた。

生徒と保護者が、沢山校門付近に
集まっており、私はヤバいと本格的に
危機感を感じた。

あの中にこの3人とは、無理!

生地獄が過ぎる。

『…ご、ごめん…。
 
 あの、先に行ってもいい?』

顔に汗を吹き出して頼んだら、葵は
察したらしく「いいよ」と言うけど。

問題は残りの二人。

由宇と時雨は眉を顰めていて。

「俺等といたくねぇってことか?」

「ひどーい、くっついてやる」

違う!と言いたいところだけど、
そういうことなんだよね!

絶対に、嫌がってることわかってる癖に
意地が悪い!

すでにもう、視線がグサグサ私と3人に
突き刺さってるんすよ!

アンタら美形なの!視線が痛いの!
わかれ!?


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