一期一会。−2−
早く校内に入りたい…と思っていたら、
3人以外の声が耳に入る。

「彩羽っ、おはよう!」

『ら、頼人ぉおお!』

救いだ、神が現れた!

中学の時、同級生でクラスメイトだった
彼は、同じく黄鳥高校に入学を決めていた。

縁ってすごいよね。

頼人は、王子様よろしく、爽やかに
微笑んで、同じ制服(男バージョン)で
立っていた。

頼人は、私と私を囲む3人を見比べて、
怪訝そう。

そりゃそうだ、この人達は友人とはいえ
他人だもん!

見ようによっては、絡まれてると言っても
過言ではない。

「彩羽、早く行こう」

『うん』

険しい顔で私を促す頼人に、3人は明らかに敵意を向けていて。

私は、助かったとばかりにさっさと
3人の手から逃れる。

『じゃ、またね!』

にこっ、と最近習得した朗らかスマイル
(ソウ君銘名)を3人に見せる。

よくわかんないけど、これで男はイチコロ
なんだって!

すると、3人はおろか、周りまで赤面した。

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