一期一会。−2−

10【夏祭り】

ソウ君=お兄ちゃんである事実が発覚後。

私は、家で、とあるプランを企てていた。

…実は、葵から、日下組と古立組の対立がヒートアップしているという情報を耳にしたのだ。

思っていたよりも、時間がないらしい。

ソウ君と和が潰し合うなんて、想像するだけで恐ろしい。

悪夢でしかないよね…。

一刻も早く、和をどうにかして、古立組から引き剥がさなければならない。

しかし、私は今、和とはただの友達ポジションなだけ。

出会って数ヶ月だし、得体の知れない奴に救けられてもねぇ…?

どうしようかな、と思考中なう。

私が“王蝶”であれば、救うことが可能。

でも…、どこで種明かしをしよう?

正体バラすのって、リスクの塊なんだよね…。

どうしたら、少しでもリスク減らせるかなぁ。

黙々と考え続けること数分。

はっと、閃いた。

バッとカレンダーを振り返る。

うってつけの日があるじゃん。

『夏祭り…!』


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