一期一会。−2−
私のこめかみに、焦点を絞って、銃口を持ち上げた。

「…この子、殺しちゃうかも」

かも、ではなく、確定だろ。
 
どこまで、卑怯なんだ。

和の優しさに漬け込んで…酷いよ。

私を殺しても、誰にも得ないじゃん。

未だ、和に、柵を取り付けるつもりなの?

悲劇は…、悲劇しか生まないのに。

私は、負けじと目を据えて、希月さんと向かい合う。

…そんな脅しに、私が屈するとでも?


「…いいよ、希月。

 一緒に、何処へでも行くから…っ。

 だから、もう、誰も殺めないでくれ…」


ポタポタと、目から留めなく涙を零す和。

初めて見る涙は、希月さんの為に流れていて。

その声は、酷く、悲しみの色が滲んでいた…。

すがるような、咎めるような、言葉。



「…お願いだよ…っ、希月!」



心から叫ぶ和に、希月さんは「ふふっ」
と嬉しそうに笑った。


「和は…俺のことを慕ってるもんね。

 …ありがとう。  

 …でも、この子は…要らないかな」


希月さんの表情が、抜け落ちた。


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