一期一会。−2−

5【高熱にさらされて・後編】

葵が風邪を引いた、と聞いて、真面目に
心配した。

メッセージを送っても、返事は一言。

葵と時雨が道を違えた時以降、葵は一人暮らしをしながら、青火高校へ通っているらしい。

…大丈夫かなぁ、熱高いって。

心配して、ドルチェ内でもソワソワして
いたら、見兼ねた皆からお見舞いを提案
された。

それぞれ持ってきてたらしいスポドリや
ゼリーやらの大きな袋を持たされて、
葵の家を調べる。

従兄弟のソウ君なら知ってるかな。

スマホをイジって、某メッセージアプリで
聞いたら、即レスされた。

忙しいの?暇なの?

《狼には気を付けろよ。場所はー…》

何、狼って?と思いつつ、ありがとう、と
返した。

マップのアプリを開いて、情報を打ち込む。

葵…サプライズ、喜ぶかな。

葵のことだから、うつしたくなくて
“帰れ”とか言うんだろうなぁ。

と、考えながらナビ通り歩く。

着いた先は、何やら高級感満載のマンション。

おぉ、見上げられる…。


< 71 / 244 >

この作品をシェア

pagetop