貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
「これ……君が1人で作ったんだって?」

「え,ええ。鍋1つ分だけ任せて貰えたの」

「あれ1つでもかなりの大きさだから。大変だったでしょ?」

「でも,好きだから大丈夫」

「そっか」



1口含んだ蘭華に声をかけられて,私はどうにか言葉を返す。

どうしたのかしら…

美味しい?

それを聞ける距離に,早くなりたい。

普段考えているような,未来のための,何の打算もなくそう思った。



「おいしい」



隣からそう聞こえて,私はきゅっと口をつぐむ。

そして,蘭華がどこからか運んできた丸机にお皿を置いて,蘭華を見た。



「……ありがとう」



そう伝えるのが精一杯で,私はまた食事を再開する。

もうそんなに熱くないのに,辛く作ったわけでもないのに。

頬の辺りが,すごく熱いような気がした。



「サム! 近くにいる?」



それから何分かして食べ終わったあと。

廊下で蘭華が声をあげると,数分後にサムがやって来る。

どうしたのかしらと思っていると,自分で返しに行く予定だった食器を,サムが全て持っていってしまった。



「食事の後に眠気が来るなんて,いつぶりだろう」



私がサムの後を追おうとした時,蘭華が呟くように言う。

ついストンと元の場所に座ってしまえば,後ろから包み込む様に蘭華が私を抱き締めた。
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