貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
「そうだね,間違ってはないけど…今は組織の拠点としての姿の方がとても正しい」



私はお客様なんかじゃない。



「私が,あなたに誘拐されたから」

「そう。何でか分かる?」



喉が渇く。

彼に私の嘘が通じるかなんて分からない。

でも…



「分からない。私はただ,花の水やりを終えて,お店の前を掃除していただけだもの。危ない現場なんてものも,何も目撃していないわ」



下手なこと,言うわけにはいかない。



「君のお父さん,有名みたいなんだよね」

「父なんて,会ったこともない」



お母さんはもう,ずっと前に他界した。



「そんなこと関係ないんだよ。いい? 君の父とやらは,昨日亡くなった」



人が死んだと聞かされるのは,分かっていても衝撃を受ける。

それが自分の父親なら尚更だ。



「君はどれくらい自分の父親について知ってる? まずはそこからだね」

「…母より2つ年上で,たばこ好き」
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