干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
――雅也は今までの自分を、変えようとしていた。俺は……?
俊介が目を閉じると、瞼の裏で美琴がほほ笑んでいる顔が映った。
そして次々に部長や健太、滝山、その他の社員達の顔が思い浮かぶ。
――もう前までの様に、周りは敵ばかりだと諦めていた俺とは違う。いつも味方でいてくれる人がいる。仲間がいる。この人達の笑顔を守りたい。
俊介は静かに目を開くと、再び目の前の社長を鋭く見つめた。
「僕はこの会社を守りたいんです。雅也の言葉は信頼できます。だからこそ、トータルにとって不利になるこのメールを僕に渡した。専務が裏で動いていたことは明らかです」
社長は話を聞きながら腕を組んで下を向いていたが、俊介の隣に立つ部長に目を向けた。
「相馬部長。君は専務からの指示で、新プロジェクトの監視役になっていたはずだ。君は専務の動きは知らなかったと?」
「私は……」
部長は一旦言葉を切り、副社長をチラッと見た。
「私は、新プロジェクトを潰すという目的のため、専務からの指示でプロジェクトに入りました。それは社長の意向でもあったはずです」
部長の言葉に、社長は一瞬目を逸らす。
俊介が目を閉じると、瞼の裏で美琴がほほ笑んでいる顔が映った。
そして次々に部長や健太、滝山、その他の社員達の顔が思い浮かぶ。
――もう前までの様に、周りは敵ばかりだと諦めていた俺とは違う。いつも味方でいてくれる人がいる。仲間がいる。この人達の笑顔を守りたい。
俊介は静かに目を開くと、再び目の前の社長を鋭く見つめた。
「僕はこの会社を守りたいんです。雅也の言葉は信頼できます。だからこそ、トータルにとって不利になるこのメールを僕に渡した。専務が裏で動いていたことは明らかです」
社長は話を聞きながら腕を組んで下を向いていたが、俊介の隣に立つ部長に目を向けた。
「相馬部長。君は専務からの指示で、新プロジェクトの監視役になっていたはずだ。君は専務の動きは知らなかったと?」
「私は……」
部長は一旦言葉を切り、副社長をチラッと見た。
「私は、新プロジェクトを潰すという目的のため、専務からの指示でプロジェクトに入りました。それは社長の意向でもあったはずです」
部長の言葉に、社長は一瞬目を逸らす。