干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「ただ、前々からメンテ部では、トータルによる嫌がらせ行為が問題視されており、そこへ営業先の横取りが横行しだした。しかし専務は何も動かず、副社長の追い出しに躍起になっていた。私はこの状況を疑問に思い、独自に動くことにしました。そしてわかった事は……」
「わかった事は?」
「副社長の、経営者としての素質です。副社長は人の上に立てる人だ。それは社長も、薄々感じていらっしゃるのではないですか?」
俊介ははっとして、隣で立つの部長の凛とした表情を見る。
「何を言い出す! 今は専務の、裏切りの話しているんだぞ!」
社長は大声を出すと、手を上げて大袈裟にのけ反った。
「そうです。だからこそです。専務は異常に副社長を恐れていた。敏感に察知していたんです。副社長に勘づかれる可能性を。だからお家騒動にかこつけて、副社長の追い出しを思いついた。朔人さんは良いように利用されています」
社長は拳を握り、ぐっと押し黙る。
部屋にはしばらくの間、沈黙が流れ時計の時を刻む音だけが響いていた。
「わかった事は?」
「副社長の、経営者としての素質です。副社長は人の上に立てる人だ。それは社長も、薄々感じていらっしゃるのではないですか?」
俊介ははっとして、隣で立つの部長の凛とした表情を見る。
「何を言い出す! 今は専務の、裏切りの話しているんだぞ!」
社長は大声を出すと、手を上げて大袈裟にのけ反った。
「そうです。だからこそです。専務は異常に副社長を恐れていた。敏感に察知していたんです。副社長に勘づかれる可能性を。だからお家騒動にかこつけて、副社長の追い出しを思いついた。朔人さんは良いように利用されています」
社長は拳を握り、ぐっと押し黙る。
部屋にはしばらくの間、沈黙が流れ時計の時を刻む音だけが響いていた。