干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「副社長は? 副社長はどうなるんですか?!」
美琴は部長の腕にすがりついた。
「副社長は緑化事業から離れる」
「離れるって……。離れてどうなるんですか?! まさか、子会社に……」
美琴は震える手で、再び自分の口元を覆う。
「安心しろ。干物。これは副社長にとっては、チャンスなんだ」
「チャンスって……?」
「副社長は緑化事業から外れるかわりに、社長の側で仕事をすることになった。たぶん……」
部長は一旦口ごもる。
「たぶん?」
「社長は副社長に、後を継がせようと考えてる」
「え……」
美琴の頭の中で、部長の言葉が響いていた。
――副社長が、いずれ社長になる……?
それは当然あり得る話だったはずだ。
朔人の存在があったとしても、副社長なのだから……。
でもその事が現実に目の前に突きつけられた途端、美琴は副社長が遠い存在になってしまうような、自分の目の前から消えてしまうような、そんな複雑な感情を抱いていた。
下を向いたまま固まる美琴の姿を見て、部長が優しく声をかける。
美琴は部長の腕にすがりついた。
「副社長は緑化事業から離れる」
「離れるって……。離れてどうなるんですか?! まさか、子会社に……」
美琴は震える手で、再び自分の口元を覆う。
「安心しろ。干物。これは副社長にとっては、チャンスなんだ」
「チャンスって……?」
「副社長は緑化事業から外れるかわりに、社長の側で仕事をすることになった。たぶん……」
部長は一旦口ごもる。
「たぶん?」
「社長は副社長に、後を継がせようと考えてる」
「え……」
美琴の頭の中で、部長の言葉が響いていた。
――副社長が、いずれ社長になる……?
それは当然あり得る話だったはずだ。
朔人の存在があったとしても、副社長なのだから……。
でもその事が現実に目の前に突きつけられた途端、美琴は副社長が遠い存在になってしまうような、自分の目の前から消えてしまうような、そんな複雑な感情を抱いていた。
下を向いたまま固まる美琴の姿を見て、部長が優しく声をかける。