干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「俊介? 雅也、何の用事だったんだ?」

 健太は眉を寄せながら俊介に声をかける。

「美琴が……」

 俊介がそう言いかけた時、副社長室の扉が勢いよく開いた。

 見ると血相を変えた部長と、泣きそうな顔の滝山が立っている。


「どうしたんですか?」

 俊介は二人のただならぬ様子に胸騒ぎがして、足早に近寄った。

「干物がこれを……」

 部長はそう言いながら手を伸ばすと、俊介に小さなメモ用紙を手渡した。

 俊介は急いでその紙を受け取り、ボールペンで走り書きしたであろうその文字に素早く目を走らせる。

 そして俊介ははっと息を呑んだ。


 “ひとつだけ当てがあるので行ってきます。副社長には、私が戻るまで決断するのは待って欲しいって伝えてください。友野”


「友野さんはどこに……?」

 俊介は紙を握りしめるとぱっと顔を上げ、部長と滝山を交互に見る。

「と、友野さんの気に入ってる車の鍵がないんです。もしかしたら遠くに行ったのかも……」

 滝山が泣きそうな声を出し、部長が大きくため息をついた。

「あいつどこに行ったんだ……? それとここに書いてある『決断するのは待って欲しい』って、何のことですか?」

 首を傾げる部長を見ながら、俊介は戸惑いの色を浮かべる。
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