プリズムアイ
まるで告白みたいだ、と恥かしさで顔が赤くなった。思わず片手で顔を覆っていると、指の隙間をその大好きな瞳が見つめてくる。キスできる距離だ。

「私を心配してくれてのことですか?」

水島さんってやっぱり優しいですね。そう瞳を潤ませたフジタは感激したように声を上ずらせた。

「まあ、後輩だし心配するだろう?」

「優しいんですね。優しい先輩で良かった。ちょっと時々、視界がぼやけるんですけど…縁側が赤くなるというかこの目の通りにうつっているというか」

病名はちょっとわからないって言われてて、って目を伏せた。
その物悲しそうな、陰りを見せた表情から彼女はこの目でなにかいじめられた過去などもあったのかもしれない。

「私、仕事頑張りたいんです。色んな人から学びたくて教えてもらってもいいですか?」

「あぁ、そんな簡単なことなら」

むしろ大歓迎、だ。
と口にしない言葉はしまっておく。

「嬉しいです。約束ですよ、今夜」

「今日から?」

「善は急がないと」
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