プリズムアイ


どちらかというとドジという名の嫌がらせは幾度となく、こちらは受けていた。
鍵をしめたままにして閉じ込められたり、よかれと思ってお茶を持ってきてくれたとおもったがパソコンに零された。似たようなちょっとしたことがちょっとずつある。

浮気相手が優しくしてくれないから、彼氏【本命】に泣きついた。久しぶりに彼と会ったにも関わらず、甘えるような言葉で迎えることもせず淡々と招き入れた。どちらかというと面倒くさがっている。最後に会ってから一か月ちょっと経っていて髪の毛を切っていないのか前髪で顔が見えないことと、襟足が肩に着くくらいになっていた。

ポテチしかないと手渡し、二人でテレビの前に地べたに座る。テレビ台のところに見慣れない透明の箱に入った結晶のようなものがあった。凄く透き通ったでこぼこの石の中にどこかで見たような七色のきらめきが入っていた。彼は冷蔵庫からコーラをコップに注いで手渡して、グラスを合わせた。それを皮ぎりにおもに後輩の悪口をひといきに吐き切る。彼はぼそり、という。
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