夜這いのくまさん
いつの間にか夜が更け、私たちは毛布もかけずに転がっていた。
シャーレイの夫が迎えにきた。彼女はまだ起きそうになく、むにゃむにゃとなにか寝言をいっていた。シャーレイの夫はいつだって寡黙でよくわからない男だった。

「抱えてかえるとするよ。ごめんね、シェリー」

「こちらこそ、シャーレイと遊ばしてくれてありがとう」

「君がアーレットの花嫁になるってきいて、酷く落ち込んでいた。なあ、シェリー」

君は誰に抱かれるんだろうね。そう零した声は淡々としていてなんの温度も感じ取ることができなかった。
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