とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
完璧ね…!
クローゼットの前にあった全身鏡で自分の姿を確認した私はニンマリと微笑んだ。
腰まである長い髪を結い上げ、黒のワンピースにフリルがあしらわれた白いエプロンを身につける。
うん!どこからどう見ても公爵家の侍女ね…!
そう。私は、部屋にあったメイド服を拝借してシェラード公爵家の侍女に変装していたのだ。
男装で変装慣れしている私にとってはこのくらいお手の物とういわけ。
これならキャンベル公爵令嬢だなんて誰も気づかないでしょ。
先程まで身につけていたドレスをクローゼットの隅に隠した私はゆっくりと、扉を開けて廊下に出た。
これで邸宅内を歩きやすくなったし、早速情報収集といきますか。
気合い十分に足を踏み出した時。
「ちょっと、そこのキミ」
ビクッ
後ろから唐突に声をかけられ、思わず身をすくめてしまう。
落ち着くのよ、フローラ。私は今、公爵家の侍女。変に動揺したら怪しまれるわ。
「はい…。何でしょう?」