【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 ハンネスが王都パドマの学校に入学するまでは、オグレン領で暮らしていた。どこまでも広がる茶畑が、ファンヌの遊び場でもあった。
 お茶を飲めば心も温まるし、そして気持ちが安らぐ。いろんな効能のお茶が無いだろうか、と思ったのが、彼女が『調茶』に興味を持ったきっかけだ。その頃は『調茶』という言葉もなかった。
 ファンヌが十六になり、高等学校へ入学した時にエルランドと出会った。彼はすでに教授だった。他の先生とも比べ、比較的若い彼は、ファンヌにとっても相談しやすい相手になっていた。かつ、彼の専門は『調薬』であり、その技術をお茶の世界に生かすことはできないかと相談をした。
 研究肌であるエルランドは、すぐさまファンヌの意見を取り入れ、『調薬』に対して『調茶』という言葉を作り、その『調茶』で論文を一本書くようにファンヌに提案してきた。
 その論文が『調薬』の世界で認められ、薬草と茶葉における研究を差別化するため『調茶』という言葉が浸透し始めた。と同時に、ファンヌの『調茶』したお茶の効能も認められ、『調薬師』と同じように『調茶師』という言葉までが生まれた。
『国家調薬師』になるためには、論文を発表し世間に認められる必要がある。さらに、その『調薬』の腕前も確認される。それを『調茶』の世界にも応用したのだ。だからファンヌは十六にして『国家調茶師』を名乗ることができるようになった。
< 111 / 269 >

この作品をシェア

pagetop