【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 ソファの背もたれに背中を預けた国王は、ふむぅと唸ってから口を開いた。
「最近、ウロバトが少し物騒でな。小競り合いが頻発している」
「小競り合い?」
 エルランドが聞き返すと、国王は大きく頷いた。
「ああ。民同士で、何やら言い争いをしていることが多いらしい。言い争いだけならまだいいのだが、中には手や足を出す者もいる」
 つまり、暴力を振るう者がいる。
「すぐさま、周りにいた者が騎士団を呼ぶから、大事には至らないのだが。ただ、そういった事例が増えている」
「それと、この薬にどのような関係があるのですか?」
 エルランドの疑問は正しい。薬の分析依頼をしておきながら、先ほどから聞かされているのは、王都で増えている小競り合いの話。
「まあ、そう焦るな。先ほどから私は、関係のある話しかしていないよ」
 ようするに、小競り合いと薬は関係している。となれば。
「その、問題を起こしている者たちの中に、この薬を使われている方が多いということですか?」
 ファンヌが尋ねれば「そうだ」と国王は答える。
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