ビター・マリッジ


「幸人さん、好きです……」

頬を染めながら至近距離でそんなことを囁いてくる梨々香に、一瞬理性が飛びかけた。

最近の梨々香は、以前よりも煽り方が上手くなってきている。それとも、俺が梨々香に弱くなっているのか。

熱っぽい眼差しを向けてくる梨々香に今度は俺のほうから唇を重ねると、首に回された彼女の腕に少しだけ力が入る。


「ゆき、と……さん……」

キスの合間に俺を呼ぶ梨々香の声が、甘く掠れる。その声に支配欲が刺激され、彼女のことを自分のそばにだけ、永遠に閉じ込めておきたくなる。

完全に翻弄されてるな。

胸に沸き上がる自分の感情を苦笑いで噛み潰すと、すっかり手に馴染んだ梨々香の身体を抱き寄せた。


《完・No her, No life. Ⅲ》

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