BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 ソファにゆったりと腰をおろして、ジーニアは思った。

 ――それより、このルートは一体何ルートなのかしら。

 ということも気になっていた。

 あと五日、何をどのようにして過ごすべきか。と考えていた時。

「ジーニア嬢。わかった、わかったぞ」

「ジュード様。お待ちください。ノックもせずに女性の部屋の扉を開けるのは失礼です」

「ノックなど悠長なことを言ってる場合ではない」

 ――まさかの、ここでジュミー。ジュミーなの?

 ジーニアはトクトクと早くなる鼓動を落ち着かせるように、侍女のルイーズを呼んだ。彼女は「あら、ジュード様、どうされましたか?」と口にしているが、恐らく、ジュードがジーニアの部屋を訪れたということは、すぐさまクラレンスに伝わることだろう、と思われた。

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