BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 残念ながらこの呪いを解くために必要なのは、シリルの愛ではなかった。解呪も兼ねた解毒薬という、いたって普通の方法。
 そこで登場するのが王宮魔導士。

 じゃじゃん♪とジーニアは心の中で効果音をつけてみた。

 第三のシナリオの対象の二人は『メガネ攻め』と『健気受け』である。
『メガネ攻め』こと王宮魔導士のジュード・ホルダー、二十七歳。他の対象者よりも少々年上。銀色の長髪で眼鏡をかけており、偏屈魔導士とも言われている。長髪、眼鏡、偏屈と萌え要素が揃っている一人で三度美味しい男だ。
 そしてそんな彼を支える『健気受け』がミック・アップルガース、十九歳。昨年、学院を卒業したジュード付きの事務官である。ミステリアスな黒髪に茶色の瞳。偏屈で気まぐれなジュードに振り回されながらも、しっかりと彼のサポートをする優しくて真面目な可愛らしい男の子。そう、男の子という表現が似合うような男性。

 ――捨てがたい。

 胡坐をかいていたジーニアは、そのままパタリと後ろに倒れた。

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