BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「どうやら、もう一度。君を抱く必要があるようだな」

 クラレンスのその言葉で、ジーニアははたと我に返る。

 ――呪いで身体の自由が奪われていた。だけど、今は動くじゃない。ってことは……。

 すっと伸びてきたクラレンスの腕から逃れるように、ジーニアはそのまま身体を回転させて逃げた。逃げなければ、何戦目かわからぬ延長戦にもつれ込んでしまうと思ったからだ。

「ちっ。逃げられたか」
 悔しそうに舌打ちをするクラレンス。

「レン様。私を騙そうとしましたね」
 ジーニアはシーツを手繰り寄せて、胸元を隠す。それすらクラレンスは楽しそうに笑って眺めていた。

「まあ、いい。今はあきらめる。風呂の準備をしてくる」

 寝台から、するっと下りたクラレンスは浴室へと向かっていく。
 その後、浴室に連れていかれたジーニアは、クラレンスから逃げることに失敗した。

 コマンド:【にげる】 → 【しかしまわりこまれてしまった……】

 まさしくそれだった。
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