BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「ジェレグレが本命なんだけど、心の中ではグレジェレっていうか……。っていうか、え? えっ。ジーン、ちょっと。えっ? な、なんで? なんで、あなたがそんなことを知っているの?」
 やはり、腐女子アンテナは正しい。なんとなくこの人そうかも、という会話の節々から感じるときがあり、そのような場合は今のようにアンテナが反応するのだ。

「えっと。お兄さまの妹、だからかしら?」

「なんなのジーン、その誤魔化し方。誤魔化しきれてないから。私のアンテナもビンビン反応してるから」

「てことは、やっぱり?」

「やっぱり?」

「ヘレナも?」

「も、ってことはジーニアも?」

 がしっとヘレナはジーニアに抱き着いた。まだここは外である。昇降口へと向かう生徒たちが、彼女たちの脇を通り抜けていく。他の生徒から見たら、卒業を間近に控え感極まった二人、くらいにしか見えていないだろう。腐女子が同志を見つけて、感極まっているようには見えないはず、だ。多分。

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