BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「だからね。二周目って気付いたとき、私は第一のシナリオだけは回避しようと思ったの。それで、この学院の卒業後は騎士団に入団しようと思ったわ。そしてもちろん、パーティではあなたがあれを手にすることを断固として拒否」

 それを聞いたジーニアも、今にも泣き出しそうに瞳を潤ませてしまった。

「ヘレナ。そこまでして私のことを……。嬉しいを通り越して、嬉しいしか思い浮かばない」

「そしてジーンが同志と知ったのであれば、なおさら第一は拒否よ。だからって、第三もダメよね。あのクラレンス様がお亡くなりになられてしまうのだから」

「てことは、やはり今回は第二を狙うの?」

 ノンノンノンとヘレナは右手の人差し指を器用に左右に振っている。

「もちろん、王道のクラシリでもいいんだけど。どうやらね、究極のプレミアム裏ルートが存在するらしいのよ」
 と、誰にも聞かれないような場所にもいるに関わらず、つい小声になってしまうのは何故だろう?

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