BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「究極のプレミアム裏ルート?」

「そう。クラレンス様も亡くならない形で、あの六人が幸せになるルートがあるらしいの」

「つまり、それって。私も死なずに、あのカップルたちの行く末を見守ることができるってこと?」

 そうそう、とヘレナは頷く。

「だからね。私はその究極プレミアム裏ルートのために、卒業したら騎士になることを決めたの。とりあえず、あのカップルたちの死亡フラグを全て潰すためにね」

「かっこいいわ。ヘレナ。私も、ちょっと記憶が曖昧なところはあるけれど、究極のプレミアム裏ルートのために、できることをやらせて」

「もちろん。あなたも卒業後は、あのアマリエ様の侍女としてお勤めするのでしょう? そして私が騎士団。彼らを守るにはもってこいの条件ではないかしら?」
 そこでヘレナはガシッと両手で、フォークを持つジーニアの右手を包んだ。巻きかけのパスタがくるりんと、お皿に戻ってしまう。
 ヘレナはじっとジーニアの顔を見る。ジーニアもヘレナの顔を見る。目が合う。
 同志は微笑み合い、そして力強く頷いた。
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