BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
2.それはスパダリ攻めと誘い受けですね

1.

 とうとうやってきてしまった学院の卒業パーティ。これで、ジーニアの運命が決まるといっても過言ではない。学院の卒業パーティであるため、面倒くさいエスコートなどは不要。ジーニアは、この卒業パーティのために新しく仕立ててもらったドレスに身を包んでいた。

「ジーン、そのドレス素敵ね」
 そう声をかけてきたのはもちろんヘレナ。
「ありがとう。この日のために、お父さまが新しく仕立ててくれたみたいで」

「ジーンのお父様って、あれよね。花形の第一騎士隊の元隊長」

「すごいわね、ヘレナ。よく知ってるわね」

「それがね、騎士団の入団試験で、歴代の隊長の名前って聞かれるのよ」

「えー。歴代の? よく、覚えたわね」

「えぇ、簡単よ。カップリングにしていけばいいのだから」
 なぜかヘレナは楽しそうに笑っていた。歴代の隊長をわかっていないジーニアには彼女がなぜ楽しそうなのかがよくわからない。だがカップリングという時点で、隊長と副隊長あたりで受け攻めを設定しているのだろう。

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