BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
◇◆◇◆

 はっと気が付いて目を開ければ見知らぬ天井、ではなく天蓋。

 ――ここ、どこ?

 日本という国に住んでいた時の夢を見ていたような気がする。だけど、ここがあの『ひかきみ』の世界であったことを思い出す。だが、この場所がどこであるか、ということだけは思い出せない。
 もそもそとジーニアが温かい毛布の中で動くと、その擦れた音に気付いたのか、誰かがやってくるような気配がした。

「お気づきになられましたか」

 突然、女性の声でそう言葉をかけられてしまったら、ジーニアも「ひっ」と驚いてしまう。だけどその女性がとても優しそうに微笑んでいたので、ジーニアもちょっとだけ安心する。

「あの……」
 と言いながら身体を起こそうとすれば、背中に激痛が走る。
「動かないでください。どうぞそのままで。今、呼んでまいります」

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