Macaron Marriage
 二人して大きく胸を上下させながら、ベッドに沈み込む。

 それからふと萌音の頭に疑問が浮かんできた。ゴロンと転がって翔の胸の上に上半身を載せると、怪訝な顔で彼の顔を覗き込む。

「翔さん、私のことがずっと好きみたいなこと言ってたけど、それにしてはエッチが上手すぎる気がするんだけど」

 すると翔は口をぎゅっと閉ざして視線をぐるぐると回しながら、どこかばつの悪そうな顔になる。

「怒らないから正直に言ってみて」
「……いや、そういう手解きを教えてくれる人がいて……」
「手解き……?」
「ほら、萌音の前で恥ずかしい思いはしたくないでしょ! 俺だって初めて付き合うのは萌音なんだからさ」
「……そうなの?」
「当たり前じゃない」
「手解きは受けるのに?」
「うっ……それはそれ! 愛してるのは萌音だけだよね」

 キスをしながら体の位置を入れ替え、再び萌音の体は翔に組み敷かれる。

「まさかあの夜の出会いが、こんな未来に繋がるとは思わなかったよ」
「翔さんが声をかけてくれなかったら出会うことはなかったはず……そう考えるとすごいことよね……。ちょっとヤキモチ妬いたけど、なかったことにする。だって……今はこうして私のことを愛してるって言ってくれてるし……」

 翔は嬉しそうに萌音の頬を撫でてからキスをする。

「愛してるよ……萌音。一生愛するって誓うよ」

 それから二人の体が一つになると、ゆっくりとした動きの中で、溶けそうになるほど甘い甘い吐息に包まれながら、二人は快楽の波に飲まれていった。
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