Macaron Marriage
 お互いが挨拶を済ませると、今度はプランナーの女性が口を開く。

「ドレスも大丈夫そうですね。では今日の打ち合わせはここまでにしましょうか。次回はもっと詰めていきますので、またよろしくお願いいたします」
「はい、お願いします!」

 すると翔はスッと立ち上がり、萌音の傍に立つ。

「萌音さん、ドレスのことでお二人にお話しておきたいこととかありますか?」
「あるんですが……お疲れじゃないですか?」
「私たちなら大丈夫ですよ。今日は式場の見学と日程を押さえただけなので」
「ではもし出来ましたら、私の仕事場の方でお話させていただいても良いですか? 寸法とかを教えていただきたいので」
「じゃあ一度休憩を入れてから、私の車で萌音さんの仕事場に向かいましょうか」
「良いんですか?」
「もちろん。うちのプランナーから少し話があるようなので、それが終わったら出発しましょう」

 そう言うと、翔は二人を連れてレストランの方向へ歩き出した。その背中を見送っていると、腕の辺りを何かでツンツンされる。

 慌てて振り返ると、プランナーの女性が笑いを堪えるように手で口元を押さえていた。
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