誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
祖父に渡されてた紙を見ながら最寄駅で電車を降り、出口から数分歩けば見上げるほどの高層ビルがあった。
SAWATARIグループの自社ビルのようで、不動産、IT企業、フードカンパニーなどずらりと並んだSAWATARIグループ会社の中に、SAWATARI法律事務所の名前もあった。
総合受付にはスカーフを首に巻いた女性が数名座っていて、行きかう人達を案内している。
どうしよう、約束もないのに会えるわけがない。しかし、会えませんでしたなどと帰れるわけにはいかない。
必死に悩んだ私は受付の女性に一芝居打った。沢渡先生と約束がある。知らないなんてひどい。今にも泣きそうなほど騒ぎ立てた。そんな私に困り果てた女性は沢渡先生につないでくれた。
そして、名前を聞いて彼は一瞬で誰か理解をしたのだろう。何も言わずに自室へ通した。