誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
 それでもなんとかこのままこの縁談が進みそうで安堵するも、すぐに冷たい言葉が降ってくる。

「しかし、私が必要ないと思えばすぐさま離婚してもらいます。私は人を愛さない。子供なんてもっと必要がない。それだけは了承していてください」

 その冷たいものいいに、私はキュッと唇を噛む。少しでももしかしたら、結婚をして、子供がいて、そんな両親のような幸せを夢見たこともあった。そんなものは私にはきっと縁がないことなのだ。自嘲気味な笑みがこぼれそうになるのを堪え、私は腰を折る。

「それで結構です。契約書も作っていただいて構いません」

 私にとっても、あの家から出るための結婚だ。なんとしても彼と結婚をしなければならない。 
 これでもかと頭を下げた私に、心底うんざりするような言葉が降ってきた。

「もう演技は結構です。今度はそういう方向ですか? 別に今約束をしたので本性をみせられても反故にしません」
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