西野先輩はかまいたい
キラキラまぶしい西野先輩だけなら
この場は
何とかなりそうなんだけど……
先輩の後ろには、私を敵とみなす
女子達の怒りのこもった目が
1、2、3、4、5……
数え尽くすのは無理です。
はい、諦めました。
彼女たちと目が合うのも怖いし。
西野先輩は
私のところまで歩いてくると
私の目の前に座る
夏川君に笑いかけた。
「夏川、
なんで特等席に座ってるの?」
「こいつのこと
いろんなものから守ろうと思って」
「へ~。俺の代わりに
百合ちゃんを守ってくれてたんだ。
それはどうも」
普段は人懐っこいスマイルを振りまく
西野先輩なのに……
なぜか今は、笑顔が不気味すぎ。
濁った眼で、夏川君に微笑んでいる。