浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「うわっ!ボスッ」

 だれかが叫んだのと、門の方から大勢の軍服姿の男たちが駆けてくるのとが同時だった。

 そろそろこのやり取りに飽きてきたところだったから、こういう急展開は大歓迎よ。

 読者だってこういうダラダラなシーンばかり続くと、刺激や急展開を望むはず。

「くそっ!襲撃か?」

 フリオが警戒するのもムリはない。

 悪の組織が大きいわりに地元の警察の規模が小さかったりすれば、軍に出動の要請がかかることはあるあるである。これは、リアルな世界も同様。平和なときが続いていて、軍も活躍する場が天災時くらいになると、よろこんで悪党討伐にのりだしてくる。

 フリオは、そうかと思ったに違いない。

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