浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「やはり、ここにいたっ!」

 が、様子が違った。っていうか、わたしの読みは違ったみたい。

 フリオの屋敷内に突入してきた軍服姿の男たちの目的は、どうやらフリオではないみたい。

「ここに入っていったと、通行人にきいた通りだ」

 なんとなんと、先頭にいるのはあのベレー帽の男なのである。

 ということは、軍服姿の私兵たちはなんとかっていう公爵?侯爵?、とにかくどこかの貴族の私兵たちなわけで……。

 さらにいうと、彼らの目的は、アレックスを殺すことで……。

「やっと見つけたぞ」

 ベレー帽の男は、どこかの貴族の私兵たちを従え勝ち誇ったように宣言した。

 よかったわね。これで目的を果たせるかもしれない。そうしたら、黒幕に叱られずにすむ。約束通りの報酬をもらうことが出来る。奥さんや子どもたちにプレゼントを買ったり、レストランに食事に行ける。それとも、まだ結婚していなくって、両親にプレゼントをしたり食事に連れて行けるかもしれない。

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