キスだけでは終われない
ちゃめっ気たっぷりな口調なのは、二人の仲が良いからなんだろう。片山さんもいつもより口調が明るい感じがして、嬉しくなった。
「そう、こいつ面倒見がいいからね。席に案内するよ」
ニコッと営業スマイルが素敵なお友達を紹介され、最近知り合う人はみんなタイプは違うけど眉目秀麗な男性ばかりだな…そんなことを考えながら席に着く。
「ええっと、高梨さんはアレルギーとか苦手な食材はありますか?」
「特にないです」と答えると片山さんから質問される。
「今日は魚を食べたい気分なんだけどアクアパッツァでも良いかな?じゃあ、お勧めのコースで、魚料理はアクアパッツァにしてよ。ワインもお勧めで良いかな?」
「ワインってよくわからないので、お任せでお願いします」と笑顔で頷く。
「おう、今日はいい金目が入ったんだ。期待してろよ。ワインも魚に合わせてくるよ」
「じゃあ、任せる」
「それにしても、ずいぶんと可憐な彼女で驚いたよ」
「そうだろう。可愛い女(ひと)なんだ。お前横取りするなよ」
爽やかな笑顔の佐伯さんに可憐とか、片山さんには可愛いとか言われて、恥ずかしくなる。
そういう台詞をサラッと言えてしまうこの人たちがすごいと思った。