キスだけでは終われない
佐伯さんも片山さんとはタイプは違うけれどイケメンだし、きっとモテるのだろうなという印象をもった。
「香苗さんの可愛さは僕だけが知っていればいい。彼女ほど可愛くて可憐な人はそうそういないだろうからね」
片山さんがウインクしながらそんなことを言うものだから、顔から火が出そうになるほど熱くなって手で顔を扇いでしまう。
「彼女焦ってるぞ。こいつが何かしたら俺が助けてあげるから、声かけてね」佐伯さんもウインクと笑顔で対抗してきて、ますます居たたまれなくなる。
「お前の方が怪しいよ。いいから行けよ」
「まったく。お前小さくなったな。心の狭い男は嫌われるぞ」
「うるさいな。早く料理を作ってこいよ」
「はいはい。じゃ、今度はお友達とでも食べに来てよ。可愛い子の来店なら予約で埋まっていても特別に席作るからさ」
不機嫌な顔で手を振り払う様子の片山さんがこの前見た大人っぽい雰囲気ではないのは、昔からのお友達だからだろうか。
その後は初デートらしく片山さんとお互いのことを教え合いながら、佐伯さんが作った美味しい料理をいただいた。