キスだけでは終われない
翌土曜日、彼は車で私の住むマンションまで迎えに来てくれた。
「おはよう。今日はよろしくね」
「おはようございます。水族館、すごく久しぶりで楽しみにしてました」
子供の頃以来の水族館に自然と笑顔になる。
助手席のドアを開けてエスコートしてくれたので乗り込む。ハンドルを抱え首を傾げて笑顔を向けてくれる。
なんだかその仕草にドキドキすると目を合わせられなくなってしまう…。
「じゃあ、行くよ」
修一さんがアクセルを踏み、品川にある水族館に向かう。
海中トンネルで上を上げると大きな魚がいる。
「キレイ…。うわ…すごい。大きい」
「ん?あぁ、あれマンタだって」
「詳しいんですね」
「さっき書いてあったんだ」
ガイドを見ながら説明してくれる。
「この先にペンギンがいるみたいだよ」
そう言ってさり気なく手を握られる。スーツではない彼の姿ににもドキドキした。
「わー、かわいい〜」ペンギンの動きを見て思わず溢れた言葉に「そうだね」と相づちが返ってくる。
「見ていて飽きないですね。いつまでも見ていられそう」
「好きなだけどうぞ」
横に立つ修一さんが腰に手を回してくると、背中に腕の温もりも感じた。