キスだけでは終われない

「仕事は…だよ。仕事は言われたことをどうしたらきちんとできるか考えながら必死に覚えたし…でも…」

「うん、仕事はいつもきちんとしてるって聞いてるよ」

「自分でも…いつまでもこのままじゃダメだなって思ってはいるの…でも…いざとなると頭も体も動かなくなってしまうから…」

「自分に自信が持てるようになれば、自然と対処できることが多くなるものよ。私が香苗を綺麗にして対処の仕方とかもサポートしてあげるから。まずはお姉さんを信じてみなさい」

「ふふ。彩未ちゃんとこんな話をするのも本当に久しぶりだね。なんだか懐かしいな…」

「自分の存在を薄くしようとして私のことを避けてたでしょ。これからはそうはいかないわよ。早速だけど、明日一緒に出掛けようね」

「出掛けるってどこに?」

「まずは着飾ってランチに行くわよ。朝から家に行くからね」

「朝から!?」

「善は急げよ。じゃあね。おやすみ」

「はぁ……おやすみなさい」

明日かぁ…。ふぅ。やるしかないわね。
その日はそのままベッドに入り眠りについた。
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