キスだけでは終われない
彩未ちゃんは約束の日、朝8時に私の家まで服を持って来てくれた。
「おはよう。お邪魔します。香苗の部屋に入るの久しぶりね」
「おはよう。彩未ちゃん早いよ。私まだ起きたばっかりで、なんの準備も出来てないよ…」
「大丈夫よ。服ならたくさん持ってきたから」と手に持つバッグを笑顔で掲げて見せてくれた。
「すご…重かったでしょう」
「いつももっと重いものも運ぶから、全然大丈夫よ。さて、今日はどんなコーデにしましょうかね」
彩未ちゃんは楽しそうに袋の中から服を出し、ぶつぶつ呟きながら並べていく。
今日のお出掛けようにとコーディネートしてくれたのは明るめなブルーのミモレ丈ワンピースにオーガンジーの羽織物を合わせてくれた。