更生係の憂鬱生活


私は、ソレを止めるまもなく、ハッと息を呑みながら見つめることしができなかった。

目の前の光景にも、清は、終始冷たい笑みを崩さない。

殴られる、と思った次の瞬間。



「…それしたら、お前、社会的に殺すよ」


悪魔の囁きが、聴こえた。


「…っ!」


脅しに脅しを重ねる清に、男は悔しそうに手を当たるギリキリのところで止めた。


…こっわ、社会的に殺すとか一番最悪じゃないの。

清はいつもこうやって、皆が見てない裏側で手を汚してるわけ?

“BLAZE”の皆を想うからこその行動なんだろうけどさ。


でも、それにしては、…悲しすぎないかな?

権力で物を言わせ、周囲を弾圧しようとする清の姿を見て、喉まで迫り上がっていた言葉が口を衝いて出ていた。





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