冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
第二王子本人がどう思っているのか、といった言葉さえなかった。欠席からも反対の表明がうかがえるけれど。
「君を歓迎する」
当の花婿が不在のため、ジェフリルド国王の演説も短めだった。最後まで空席のままだった椅子を見つつ、貴族たちが戸惑い気味に拍手する。
(『君』、か……)
強制的に結婚を命じた姫の名前なんて、どうでもいいのだろう。
ミリアはひっそりと息をつき、拍手が鳴りやむのを待った。
「君には、我が二番目の息子アンドレアが持つ離宮が与えられる。自分の家のように寛いでほしい」
「はい。温かく迎えてくださいましたこと、心より感謝申し上げます」
ミリアは、姫っぽい声色を意識しおっとりと礼を取った。
本来なら挙式で取られるはずのヴェールだ。ここで外さなくて済んだことにも、密かに安堵していた。
だが顔を上げたところで、ヴェール越しに目が合って驚いた。ジェフリルド国王が真っすぐ彼女を見て微笑む。
(えっ、もしかして見えてる? ……なわけないよね、私でも色とか見えづらいもん)
緊張で気にしすぎているのかもしれない。
ただ、ジェフリルド国王に対しては、やはり最後まで〝強制結婚を命じた冷酷な国王〟というイメージはなかった。
夫になった人との顔合わせもないまま、離宮へと案内される。
「君を歓迎する」
当の花婿が不在のため、ジェフリルド国王の演説も短めだった。最後まで空席のままだった椅子を見つつ、貴族たちが戸惑い気味に拍手する。
(『君』、か……)
強制的に結婚を命じた姫の名前なんて、どうでもいいのだろう。
ミリアはひっそりと息をつき、拍手が鳴りやむのを待った。
「君には、我が二番目の息子アンドレアが持つ離宮が与えられる。自分の家のように寛いでほしい」
「はい。温かく迎えてくださいましたこと、心より感謝申し上げます」
ミリアは、姫っぽい声色を意識しおっとりと礼を取った。
本来なら挙式で取られるはずのヴェールだ。ここで外さなくて済んだことにも、密かに安堵していた。
だが顔を上げたところで、ヴェール越しに目が合って驚いた。ジェフリルド国王が真っすぐ彼女を見て微笑む。
(えっ、もしかして見えてる? ……なわけないよね、私でも色とか見えづらいもん)
緊張で気にしすぎているのかもしれない。
ただ、ジェフリルド国王に対しては、やはり最後まで〝強制結婚を命じた冷酷な国王〟というイメージはなかった。
夫になった人との顔合わせもないまま、離宮へと案内される。