冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
座り直した拍子に、しょんぼりしている自分に気付く。
あれからコンスタンシアがどうしているのか、陛下たちも心配していないか気になった。大丈夫だよと言って出てきたけど、その言葉を信じてくれただろうか。
「思っていたより……大丈夫じゃなかったけど」
ミリアは、膝を立てて引き寄せた。
寂しくなって衝動的に動いたせいで、カイたちと出会ったのだ。この国で初めての友達だった――。
馬車の上に座った彼女に気付いて、何人かがびっくりした目を向けていく。
(ううんっ、今は他のことは考えない!)
任務を忘れるな、そうミリアは心で唱えてぷるぷると頭を横に振る。
「さて、どこに向かおうか」
無理やり思考を切り替えた。アイスブルーの目を前方へ向けた時、ふと、森の緑が向こうに見えた。
(あんなのあったんだ)
追ってくる者を警戒するなら、向こうから抜け方が安全かもしれない。
そう考えたていると、人と馬車が少し落ち着いた場所で馬車が停まった。なんだろうと思っていると、御者席にいた商人風の中年男がステップを登って見てきた。
「お嬢さんは、どこの子供かね? どこから降ってきたのか分からないけど、飛び乗るのは危ないよ……」
「あははは、ごめんなさい」
上に着地したのには気付いていたらしい。
あの道は停車禁止なので、すぐに声が掛けられなかったのだとか。