冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
とととっと壁とトンネルを身軽な身体で駆け上がると、トンネルの屋上を走り、そして、
「よいしょっ」
軽快に飛び降りて、トンネルから出てきた馬車の屋根に乗った。
「ふぅっ、これでひと段落ついたかな」
ミリアは、カラカラと揺れる馬車の振動を感じながら座り込んだ。
(――あっ。この風、久しぶりだ)
オレンジ色の前髪を風になびかせた彼女は、胸いっぱい空気を吸い込む。
サンスティール王国を出て、ラグウルフ王国に入ってもずっとコンスタンシアのふりをしていた。こんなに身体を動かすことも、楽に胡坐をかいて座ることだってなかった。自分本来の髪色で外に出ているだけで、解放感も違う。
(姫様にお使いを頼まれて、城下へ買い物に出た時もあったっけ)
あの時も、さくっと塀を飛び越えて馬車に伸び乗った。
衛兵は呆れて、けれどたまに休憩だからと散歩がてら付き合ってくれたりした。
「あれっ?」
その懐かしい風景を思い出していたからだろうか。
ミリアは次の路地へと入った馬車の上で、横から流れていく大通りの光景にハッと目を向けた。
(今、姫様達がよく使っていた馬車が見えたような)
それは、建物の間にすぐ入ってしまって分からなくなった。
城の方角だろう。大きな馬車もひっきりなしに通っているので、見間違いだったかもしれない。
(……私、もしかしたら自分で思っているよりホームシックなのかも)
「よいしょっ」
軽快に飛び降りて、トンネルから出てきた馬車の屋根に乗った。
「ふぅっ、これでひと段落ついたかな」
ミリアは、カラカラと揺れる馬車の振動を感じながら座り込んだ。
(――あっ。この風、久しぶりだ)
オレンジ色の前髪を風になびかせた彼女は、胸いっぱい空気を吸い込む。
サンスティール王国を出て、ラグウルフ王国に入ってもずっとコンスタンシアのふりをしていた。こんなに身体を動かすことも、楽に胡坐をかいて座ることだってなかった。自分本来の髪色で外に出ているだけで、解放感も違う。
(姫様にお使いを頼まれて、城下へ買い物に出た時もあったっけ)
あの時も、さくっと塀を飛び越えて馬車に伸び乗った。
衛兵は呆れて、けれどたまに休憩だからと散歩がてら付き合ってくれたりした。
「あれっ?」
その懐かしい風景を思い出していたからだろうか。
ミリアは次の路地へと入った馬車の上で、横から流れていく大通りの光景にハッと目を向けた。
(今、姫様達がよく使っていた馬車が見えたような)
それは、建物の間にすぐ入ってしまって分からなくなった。
城の方角だろう。大きな馬車もひっきりなしに通っているので、見間違いだったかもしれない。
(……私、もしかしたら自分で思っているよりホームシックなのかも)