冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
教育を受けた侍女として使い方は網羅しているので、贅沢な湯浴み品も任務の報酬のごとく使わせてもらっている。

おかげで、ここへ来てから肌も磨かれて艶もキープできている気がする。

「……でも女の子同士でそういう話とかできたら、もっと楽しいんだろうな」

またしても寂しさを思い出してしまった。

ミリアは、溜息と共にティーポッドを元に戻す。

姫を世話していた侍女としては、この国の化粧の話も興味はある。届けられた化粧水もケア用品もいい香りがするし、肌触りも断然良くなっている。

(帰国の土産話にもいいし)

たぶん、女の子たちはみんなミリアの話を聞きたがるだろう。

サンスティール王国は、あまりにも格が違いすぎてラグウルフ王国とは国交がほぼない状態だった。流通もほとんどない。

ひとまず今回の〝任務〟が終わったあと、ミリアの帰国を待って、コンスタンシアはアーサー王子と結婚話を進める予定だ。

(アーサー殿下も、いい人だったなぁ)

ミリアが身代わりに嫁ぐと言ったら、とても心配してくれた。そうしたら、きっと彼女と結婚してみせるからと誓われてしまい、まさかのプロポーズの言葉をそこで引き出すことになってしまったのだ。

聞いていたコンスタンシアも、周りにいた全員も、そして本人も「あ」という感じで赤面していた。それもまたミリアの勇気になった。

(彼のためにも、がんばるとして――)

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