冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
この超大国の第二王子、アンドレアが女性をはべらせているという噂は本当だった。

その事実を夜に本殿の様子から知れたのは、大収穫だし安心した。

彼は結婚することを嫌っていて、今後も放っておかれるだろうとは推測している。

ならこっちだって、アンドレアがいない間の離宮内くらい、ミリアが好きにしたっていいのではないだろうか?

(だって第二王子が最低とはいえ、女の子たちに非はないわけで――絶対そうっ、むしろ私が寂しすぎて耐えられない!)

ミリアは一人、決意して拳を固めた。

「よし。せっかくだから、本田の愛人さんたちに挨拶してこよう」

愛人なのか、酒の相手をするために呼んでいる美女集団なのかは知らないが、たった一人でこの国に来たミリアとしては、とにかくお喋り友達が欲しい。

正妻なので、嫌な気持ちを抱かれる可能性もゼロではない。

しかしここは頼み込む。同性だし、説得すればきっと分かってもらえるはず!

(そうっ、あと五か月と三週間ちょっとを耐え抜くためにも!)

とにかく、邪魔をしないからと言って、どうにかお願いして仲良くなってもらおう。寂しすぎて死にそうだ。

まずは、向かいの本殿に突撃するのだ。

(あわよくば、美味しいお菓子を一緒に食べられるかも!)

ミリアは早速生活魔法で髪の色をプラチナブロンドにすると、円卓の上を手早く片付けて外に出た。

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