だって君が、好きって言ってくれたから。
彼と少し話をした後、私は絵を順番にみていく。
転校してからもずっと彼は絵を描き続けていたんだろうなって想像させる程に、とても絵が上手くなっていた。
一番最後に見た、大きな絵には衝撃を受けた。私が一番好きな、沢山のピンク色のコスモスの花が、広大な夕焼けの空と共に描かれていた。
絵の世界に引き込まれそうな程に、美しかった。
目の前に立つ。それだけで周りのにぎやかな音は聞こえなくなり風景の中の、優しい風の音がしてきた。秋色の暖かさと冷たさが混ざる空気も流れてくる。
惹き込まれ、絵の中の世界が、まるでリアルな世界のように感じていく。
立ち止まり眺めていると、隣に神楽くんが来た。
「如月さん、今でもコスモス好きなの?」
「うん、好き。えっ? てか何で私がコスモス好きなの知ってるの?」
彼にコスモスが好きな話なんて一度もしたことがない、と思う。なのに何故彼は、それを知っているのだろう。
「ちょっと待ってて?」
彼はそう言うと、会場の裏側に行った。
それからすぐに戻ってきて、彼は少し照れたように笑って、『これ』と言って懐かしいものを差し出した。
転校してからもずっと彼は絵を描き続けていたんだろうなって想像させる程に、とても絵が上手くなっていた。
一番最後に見た、大きな絵には衝撃を受けた。私が一番好きな、沢山のピンク色のコスモスの花が、広大な夕焼けの空と共に描かれていた。
絵の世界に引き込まれそうな程に、美しかった。
目の前に立つ。それだけで周りのにぎやかな音は聞こえなくなり風景の中の、優しい風の音がしてきた。秋色の暖かさと冷たさが混ざる空気も流れてくる。
惹き込まれ、絵の中の世界が、まるでリアルな世界のように感じていく。
立ち止まり眺めていると、隣に神楽くんが来た。
「如月さん、今でもコスモス好きなの?」
「うん、好き。えっ? てか何で私がコスモス好きなの知ってるの?」
彼にコスモスが好きな話なんて一度もしたことがない、と思う。なのに何故彼は、それを知っているのだろう。
「ちょっと待ってて?」
彼はそう言うと、会場の裏側に行った。
それからすぐに戻ってきて、彼は少し照れたように笑って、『これ』と言って懐かしいものを差し出した。