【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜


 コンビ二の中に足早に入っていく剛久さんの後ろ姿を見て、私はちょっと嬉しかった。
 パパらしいことさせてほしいって言われると、やっぱり断れなくなる。

 剛久さんのパパとしての姿を少しずつ目にして、私は本当に心が動かされていた。
 剛久さんが一生懸命、パパとして頑張っているその姿がなんだか可愛くて、つい笑ってしまうんだ。

 家族になるために、少しずつ距離を縮めていっているけど、それはまだほんの少しだけだ。
 まだまだ、時間はかかるだろう。

「ほら果琳、お待たせ!アイスだぞ」

「アイシュ!」

 アイスを見た瞬間の果琳は、すごく笑顔になった。嬉しそうにアイスを見て笑っている。

「ほら、アイスだぞ、果琳」

「果琳、いただきますは?」
 
 ベンチに果琳を座らせると、果琳は「いたーきしゅ」とアイスを食べ始める。

「美味しい?果琳」

「おいし〜」

 果琳のアイスを食べる姿を眺めながら、剛久さんは「可愛いな。手が小さい」と笑っている。

「これからどんどん、この子は大きくなっていくんだよな」

 しみじみした様子で私に話しかける剛久さんに、私は「そうですよ。もっともっと、大きくなります」と伝えた。

「……楽しみだな、成長が」
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