サンタクロースの贈り物(クリスマス企画)
「サンタ帽だけじゃなくて、トナカイ角のひよこまで取っちゃうんだから、脩一くんってスゴイよ!」
「子供にせがまれるうちに上達したんっすよ。」
公園のベンチに並んで座り、自動販売機で買った温かいお茶を飲みながら喋る。
「梨香さんは、蒼家主催のパーティー出るんスか?」
「パーティー?」
柾樹さんは家を出ているから、呼ばれることはないと思うんだけど…?
「あれ?聞いてない?
哲也(テツヤ)の奴、招待状送ったって言ってたけど…。」
「じゃあ、後で先生に聞いてみるね。」
脩一くんは一瞬、驚いたような表情をしたかと思うと、すぐに元の表情に戻った。
「哲也、その席で何か重大な発表するとか…って。」
「重大な発表?」
「内容は、分からないけど。」
私は時計を見ると、少しぬるくなったお茶を飲み干した。
「私、夕飯作らないといけないから帰るね。
縫いぐるみ取ってくれて、ありがとう。」
ベンチから数メートル離れたところで、呼び止められた。
「梨香さん、帰り気をつけて。」
私って…そんなに、ぼーっとしてるように見えるかな?
クリスマス仕様の可愛い縫いぐるみを2つも手に入れて、少しだけご機嫌だった。
しばらく付けなかった基礎体温、また始めようかな。
脩一くんとのお喋りは、私を少しだけ明るい気持ちにさせてくれた。