サンタクロースの贈り物(クリスマス企画)

「梨香、もう疲れた。

シュレッダー買おう。」



「先生のお小遣いでね。」



ちょっと遅い昼食の後、そんな会話をする。



「それはヤダな。

あー、ちょっと休憩。」



柾樹さんがテレビをつけると、ワイドショーをやっていた。



台所でお茶を淹れていると、柾樹さんが怒っているような声が聞こえた。



「アイツ、何て水臭い奴なんだ!!」



慌ててテレビの方へ向かうと、アンジェがストーカー被害に遭った話題で持ちきりだった。



この前、家に来たのはストーカーから逃げてる最中だったんだ。



「ストーカーだって知ってたら、蒼でも国府でも守ってくれるとこに頭下げたっつーの!」



アンジェが帰る際、柾樹さんは彼女の男友達に電話して迎えに来させてたらしい。



あの日、ベランダでかけてた電話が…それだったんだね。



柾樹さんは、アンジェとその男友達をくっつけようって目論みもあったみたいで…。



「庇って怪我した友人って、アイツのことだよなぁ…。」



柾樹さんは、そのコに悪いことしたって悔やんでた。



ラブレターの始末を再開してる最中、柾樹さんの携帯が鳴った。



しばらく話をして電話を切ると、柾樹さんは私に言ったんだ。



「蒼家のパーティーまで、梨香を預かって貰うことにした。

もう梨香を争いごとに巻き込みたくないから、行ってくれるか?」



柾樹さんのそばにいたいけど、心配かけた身としては行くしかないよね。












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